• 2014年02月06日

高速バス柏崎ー新潟線から新潟交通が撤退する問題について、総務常任委員協議会

JR柏崎駅と新潟駅を結ぶ高速バスは、現在一日11往復が運行されていて、越後交通㈱と新潟交通㈱によって運行されています。

一時間に1便程度が運行されていて、新潟市内では県庁やがんセンター、新潟市役所、古町、万代シティ等に停留するために、市民にとっては非常に利便性が高い公共交通となっています。

この高速バス柏崎―新潟線から新潟交通が撤退し、結果として越後交通㈱会社が運行する6往復のみとなることが、2月3日の地元紙に報道されました。

この路線は、市民の買い物の足というだけでなく、工科大学など学生の通学手段であり、地域振興局に通う県職員の通勤手段などでもあり、減便は大きな影響を与える問題です。

この問題について柏崎市から議会に対して説明を行うため、2月6日(木)に総務常任委員協議会が開催されました。

◆経 過

市担当部局が「大変唐突な申し入れだった」と言うように、新潟交通㈱からの撤退通知は、年が明けた今年1月8日。

撤退まで3か月もないこの時期にはじめて、「3月31日をもって撤退」という意向が伝えられたとのことです。

市としては利用者に大きな影響が出る内容だとして、市長自らが新潟交通㈱と越後交通㈱に申し入れを行うとともに、新潟県の所管課、同様な影響が予想される自治体、北陸信越運輸局新潟運輸支局への確認などを行ったと言います。

結果、新潟交通㈱からは1月30日に「撤退は撤回しない」旨の回答が届きました。

新潟県・運輸局の行政機関の見解も「高速バスは生活路線ではなく、届出制であるため指導はできない」とのことであったと言います。

 

◆これからどうするか

総務常任委員からは、6往復に大きく減便になることでどのような影響が出るかについて質疑がありました。

またこれまで新潟交通㈱と越後交通㈱との共同運行の中で運行されてきた、新潟駅発6時45分発・8時20分発のバスと、柏崎駅発17時20分発と18時25分発のバスがなくなることの代替措置や、

現在も今後も運行される上越―新潟線のバスが、柏崎に停車する上方・柏崎インター・曽地・西山インターへのアクセス向上による乗り継ぎの可能性について質疑がありました。

 

朝夕に発着するバスが無くなることは問題が大きいですが、例えば越後交通㈱さんにその代替運行をお願いするとすれば、毎日バスと運転手さんが発車時刻までに新潟市に行っているか前泊しなければならず、人的経済的負担は相当大きいものになります。

個人的には、一日15往復もしている上越―新潟線のバスが柏崎市内の停留所を通っていくわけですから、これを有効に活用できれば…と思いますが、それにしても高速バス停留所までのアクセスをどう保障するかは、他の市内路線バス確保との関係で容易なことではありません。

柏崎市としては、上越―新潟線の高速バスの中で柏崎インターを通過してしまうバスについて、もっと多くのバスで柏崎インターでの乗降ができるよう働きかけていくとのことでした。

 

それにしても今回の件は、バス事業者の方で撤退をしっかりと決めてしまって、この方針の再考を促せないような時期に申し入を行ったという案件で、実際にその意向を全て受け入れざるを得ない状態となっています。

利害が対立する物事は、押したり引いたりしながら、ある意味人情も絡んだりして、落としどころに落ち着くということが多いと思っていました。

しかしこの件は全くそんな余地はなく、「事業者が採算が合わないからやめるというんだから仕方ないよね」と、結局みんなであきらめるしかない状況で、申し入れた事業者の考えの通りに決着しそうです。

例えば「相手にも迷惑かけるから…」と早々と表明すれば、意に反して押し戻される余地を残すことになりますから、方針は変えないという確固たる意志を持って、余地を与えないということでしょうか。

企業とはそういうものかと、何か複雑な気持ちです。

 

月並みなまとめですが、自家用車で移動すれば「ドアtoドア」ですが、ちょっと不便かもしれませんが公共交通のダイヤに自分の生活を合わせて公共交通を活用するということを心がけて公共交通を支えるという意識が必要だとも思いました。