• 2011年03月18日

福島原発・原子炉は大丈夫か~東京電力から報告を受ける~

3月17日、8時30分から会派代表者会議が開催され、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の社員が会派代表に対して福島の原子力発電所事故の概要を以下のように報告しました。(3月17日発行の柏崎日報も参照してください)
福島第一原子力発電所の状況は
・1号機: 非常用炉心冷却系が使用できず格納容器内圧力が上昇。圧を下げるために12日にベントを行ったので放射性物質を放出したことになる。その後水素爆発。同日海水注水を実施。
・2号機: 原子炉水位を維持していたが、14日未明に水位低下。燃料が一部露出。⇒海水を注水。 その後格納容器ベントを実施(1号機と同様)。15日原子炉建屋内で爆発音あり⇒格納容器圧力抑制室損傷の可能性。
・3号機: 原子炉水位が維持されていたが蓄電池がなくなり中水系が停止し、燃料の一部が露出。海水注水を行い、13日に格納容器ベントを実施。 この過程で水素爆発が起きる。
・4号機: 定期検査中であったため原子炉は止まっていたが、使用済燃料を保管しておくプールの水が減少し使用済燃料の一部が露出。 水素爆発が起こる。また火災も発生。
・5号機・6号機:  定期検査中で燃料は使用済燃料プールに保管されていたが、冷却ができず代替注水を行っている。
・全号機の使用済燃料プールの冷却ができなくなっている。
福島第二原子力発電所については
・3号機は地震発生後から熱を除去する仕組み(残留熱除去系)が機能していて冷温停止できた。他の1・2・4号機は、この機能が回復して冷温停止した。 また使用済燃料プールも冷却状態に復旧している。
更に各原発の周辺の放射線の測定結果についても、詳しく報告をしました。

福島原発は、使用済燃料プールの水が無くなり、上空や地上から自衛隊などが放水する事態になっています。
原発は燃料を冷却する装置が働かなくなれば、一日に大量の水が蒸発して失われることは最初からわかっていること。 
しかしテレビなどの報道に出演している「専門家」の人々は、使用済燃料プールの問題を当初は全く取り上げていませんでした。
しかもこのプールの水が失われて問題が大きくなりつつある時期にも、「使用済燃料から発する熱はごくわずかで…」というようなコメントを繰り返し、あたかもこのことが重大な事態につながることはないという印象を国民に持たせてしまっていることについて、大きな憤りを感じます。
また問題の海水注水ですが、これは原子炉の圧力容器(燃料棒が入っていて「お釜」と呼ばれる部分)に海水を入れているわけではなく、圧力容器を格納してある格納容器内に入れているに過ぎません。
例えれば、足に深い傷があって、そこに直接薬をつけるなど治療をすべきところを、それができないために靴の上から薬を塗っているようなものではないでしょうか?

東京電力の説明に対して私は、
「圧力容器ではなく格納容器内への注水は、果たしてどれ位の効果があるのか? 圧力容器の中では燃料が水で満たされていないのだから、損傷が進んでいるはずだ。 高温になっている圧力容器があとどれくらい持つと試算しているのか?」 
と質しました。
東京電力の答えは、圧力容器内の温度は測定できないためわからないというものでした。
こうしている間にも、懸命な復旧作業が行われていますが、その作業にあたっている方々に心から無事を祈るとともに、原発が最悪の事態にならないことを祈るばかりです。