• 2022年12月14日

再稼働の地元同意 本当に履行できるか?

GX実行会議で首相が打ち出した原発最大活用は、経産省の「行動指針」の取りまとめへと着々と進んでいます。

この「原発最大活用案」は、昨年決めた「エネルギー基本計画」との間に乖離があり、矛盾が指摘されているので、次は「エネルギー基本計画」を「原発最大活用」に合わせていくということが目に見えています。

知事はこの問題に答弁する際、枕詞に「GX実行会議で示されたものであり」と言いますが、話の出だしはGXでも事はどんどん進展していると言えると思います。

 

 

常任委員会において、防災局に対しこの問題の質疑を行いました。

■原発立地地が大きく影響を受ける新政策

県当局は「我々が扱っているのは、柏崎刈羽原発の課題(であるので国政策について問われても答えようがない)」などとと言います。

しかし、実質60年を超えての運転可能や、既設炉の廃炉が決まっても次世代型原子炉導入など、原発立地地域が今後延々と原発に向き合わざるを得ない政策であり、まさに柏崎刈羽原発の課題です。

 

従って、「国に丁寧な説明を求める」という態度ではなく、原発政策の大転換の政策は「立地地の意見をよく聞け」と国に求めるべきだと思います。

 

■「地元同意」は法的裏付けが全くない

また、再稼働の地元同意は慣例的に実施されているに過ぎません。

原発に係る制度の建付けはこうです。

 

原子炉の設置許可や原子炉の健全性の確認・運転するに足りる原発かどうかの確認は国であり、地方自治体は権限を持たない

・その代わりに、地方自治体は事業者と協定を結ぶことで、地域住民の安全を確保するという地方自治体の本来的責任を果たそうとしている

 

しかし、その重要な仕組みである事業者との本県の協定は、再稼働については「事前の協議」を規定しているに過ぎません。

つまり、法的裏付けもなし、締結している協定(一般的に安全協定と呼ばれている)も「同意権」を規定していないということになります。

 

電力ひっ迫は国民世論を「原発に頼らざるを得ないかもしれない」と変えつつあると私は思っています。

だからこそ政府は、この機を逃せば原発最大活用はできないと考える筈。

この心もとない「地元同意(権)」を法制化することで、実施しなければならないものに高める必要があり、県は国に対して法制化を働きかけるべきと考えます。