- 2020年07月14日
避難委員会における内閣府職員の発言
7月13日、第10回新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会が開催された。
議事は「スクリーニング計画の議論の整理」「安定ヨウ素剤の配布計画」「避難における阻害要因」「放射線モニタリング」についてで、安定ヨウ素剤配布に関しては内閣府担当者が、放射線モニタリングについては原子力規制庁担当者が出席して考え方を述べた。
中でも「スクリーニング計画の議論整理」に多くの時間を割いていたように思う。
スクリーニング計画については、第8回・第9回の避難委員会における各委員の意見が資料にまとめられていて、この資料を踏まえての議論整理という形で進められた。
放射性物質が付いた場合の簡易除染の基準を国が「4万cpm」としているのに対して、新潟県は「1万3千cpm」という独自の基準を設定していることに対して委員は評価している。
その一方で、1万3千cpmを基準としていることにより「スクリーニング+簡易除染」に多くの時間を要してしまい、結果的にスクリーニングポイントに留まらせて被ばくのリスクを上げてしまう悩ましさも述べられていた。
つまり、いかに丁寧に検査するかという課題と、いかにはやく遠くに逃げてもらうかという二つの課題の間に立たされるということであり、状況によって国基準に切りかえる案も出された。
どの委員の先生方も、新潟県民の命を守るという観点を第一に議論を進めていただいている姿勢が、傍聴者である私にも強く伝わった。
ところが、だ。
「安定ヨウ素剤の配布計画」について述べるために、スタンバイしていた内閣府担当者が、安定ヨウ素剤の話に入る前に、委員が議論していた「スクリーニング計画」に関し意見を述べ始めた。
その内容は、「災害時という混乱しているところに、4万cpmと1万3千cpmを場合によって使い分けるなどと言うのは困難」
「そもそも4万cpmは汚染の基準であり、汚染を(避難先に)広げないという意味合いだ。避難先でおちついたら、被ばくの検査を別途やることになっている」
と、避難委員会の委員の議論の前提を覆すような内容であった。
この指摘に対して、何人もの委員が反発。
この時、関谷委員長が述べた「(我々は)県民の命と健康をどう守るかという観点で議論している」という言葉に、県民として感謝の気持ちを強くした。