- 2019年12月15日
12月定例県議会③~ほ場整備に関する促進費の扱い~
私が所属する産業経済委員会においても、県の行財政改革と部局事業に関し議論が行われました。
私は、各地で意欲が高まっている“ほ場整備”に関して、財源の捻出の困難さからブレーキがかかる懸念があり、6月定例議会の一般質問で取り上げようとしました。
しかし担当部局から、本会議ではなく常任委員会にしてほしいという意向を示され、一般質問項目から除いた経過があります。
6月の時点では今後の対応について詰めていなかったためなのでしょう。
今議会では、具体的対応策が検討されたとのことで、産業経済常任委員会農地部審査では私をはじめ何人もの委員がこの課題を取り上げました。
ほ場整備という基盤整備を行い、今後の地域農業を持続可能なものにしていきたいという機運が高まっています。
平成29年度~令和元年度までの要望地区数は28、面積で1,759haなのに対し、令和2~4年度の要望地区数は71地区・6,156haであり、両者の比率は地区数で2.5倍・面積で3.5倍にもなります。
県行財政改革の一環で、今年度と来年度に90%のシーリングがかかるので、令和元年度の継続地区で約14億円の財源不足、令和2年度以降新規地区で約17億円の財源不足が見込まれます。
そこで、ほ場整備を進めたい地域の要望と、財政負担の抑制の両立策として、
①受益面積が大きな地区では、用水系統や埋蔵文化財調査等のスケジュールを勘案し、早期に着工できる区域を1期地区として分割採択する
②令和6年度以降の新規採択は、当面抑制
③農家から負担いただく10%の“促進費”については、これまで内5%を県が負担していたが、県負担を2.5%に縮小する
などが示されました。
※現行制度では、事業費の50%を国、30%を県、10%を市町村、残り10%が農家負担なのですが、農家負担分の10%の半分5%を国が補助、国の補助残の5%を県が負担しています。
なお、農家負担の10%は、農地の集積が進むほどゼロに近づく仕組みで、農地集積率95%以上で農家負担はゼロになるというものです。
しかし今回の見直し策により、農地集積率が95%以上まで進んだとしても、農家負担は2.5%となることが示されました。
ポイントは、この促進費の負担にかかる変更が、どの時点から及ぶのか、という点です。
農地部は令和元年度の継続地区(調査地区も含む)では、これまで通りの促進費(農家負担最小が0%)とするが、令和2年度新規採択地区から見直しの適用地区となり、農家最小負担2.5%となるとの考えを示しました。
令和2年度調査地区となる予定の地域では、地権者からの同意を取り終えていると推察されます。
同意を求める際、最も農家負担が少なくなる(つまり0%)可能性を示しながら、同意のお願いをしていると考えられることから、同意を取り終えた地域への丁寧な対応が求められます。