- 2016年03月26日
定例県議会が閉会~その③ヤジられながら討論
「定例県議会が閉会~その③」です。
議案はすべて可決しましたが、賛否が分かれるのが請願・陳情、そして意見書の採決です。
新潟日報にも掲載されましたが、特にヤジが飛び交ったのが「安保法制の廃止を求める意見書」。
ご案内のように、安保法制は昨年9月に採決が行われ今月施行されようとしています。
法案ができていく過程の重要なポイントとして、その前年、集団的自衛権を行使できると憲法解釈を変え、それを閣議決定で決めてしまいました。
そのようにして制定された安保法を廃止すべきという意見書で、私も提出者の一人であったため、賛成討論を買って出ました。
討論で述べた廃止すべきだという理由はこうです。
・ 憲法については解釈権を有する政府が、その時代・その時々の国会において解釈を示されてきた
・ 憲法9条がある中で、自衛権をどう解釈するか、とりわけ戦後の歴史の中でできていった自衛隊をどう解釈するかについては、次のような解釈がなされてきた
・ 一つには、①主権国家である日本は自衛権を有している。自衛権行使に必要な(戦力に至らない)実力を持つことを憲法は禁じておらず、自衛隊はこの実力に相当する
・その一方で、②自衛権の発動が許されるのは、わが国が急迫(きゅうはく)不正の侵害を受け、これを排除するために他に適当な手段が無い場合に限られる
・自衛権としては、これが憲法で認められる範囲だという解釈であった筈
・ 「自衛権を持つことと発動することは条件付き合憲」という解釈を政府見解として述べてきた
・ 問題は、このたびの「集団的自衛権行使」までもが「解釈の範囲」として認められるかどうかである
・ 答えは否である。 何故なら 「必要な自衛の措置」とは、あくまで急迫(きゅうはく)不正の侵害があった時に、国民を守るためにやむを得ない措置として認められる措置ということであるから、わが国が直接の攻撃を受けていないにも関わらず、他を攻撃する集団的自衛権は含まれようがない
・ 日本の自衛隊が集団的自衛権を行使するとして、他国を攻撃した時にどのような事態になるか
・その国にとっては「先に攻撃をしてきたのは日本」ということになり、その国は自衛隊に対し反撃し、その後は日本との武力衝突になっていくと容易に考えられる
・ このような場合に、「最小限度」とか「少しだけ関わる」ということはできないことは容易に想像できる
・ 仮に、集団的自衛権を認めなければ、日本の防衛はもはや困難な状況になっていると言うのだとすれば、
・ まずは、「集団的自衛権の行使」は、憲法の解釈の枠ではでいないことを認めた上で、
・集団的自衛権を実際に行使する場面、そうなった場合の日本国民はどのような状況に置かれる可能性があるのかをしっかりと国民に示して、
・ それでもなお、集団的自衛権行使を目指す必要があるのかどうか、国民的大議論を喚起する必要があると考える
・今回の法の制定はそのような過程を踏んでおらず、従ってまずは廃止すべきである
というものです。
しかしそれにしても、すごいヤジでした。
閉会後、新潟日報の記者が、討論の読み原稿がほしいと来られたのですが、「ヤジがすごくて、池田さんの声が聞き取れませんでした」とのこと。
実は、私の討論は「自衛隊合憲」という政府解釈を前提にしたものだったので、他の提出者の議員から問題のある討論だと言われるのではないかな、と少し心配だったのです。
すると、ある先輩議員がこう言ってくれました。
「しかし、本当にマジでヤジっていたよね。あれは、討論内容が相当痛いところを突いていたっていうことだと思うよ。」
な~るほど!
そうだとすれば、ヤジられるのも勲章みたいなモンですね。