- 2016年02月11日
全自交単組の定期大会に出席~タクシー産業の抱える大きな課題~
2月11日(木)。今日はいい天気。
12時30分から、全自交=全国自動車交通労働組合連合会に加盟している
地元柏崎市のタクシー労働組合の定期大会のご案内をいただき、出席し
てきました。
タクシー業界が過当競争で、乗務員などの労働条件が厳しくなっている
ことや、人員不足で高齢になってもタクシーに乗務している方々が珍し
くないことなどは、よく知られています。
◆規制緩和によって“安全”が遠のく
先般、スキーバスの事故によって多くの若者の命が奪われたことは、
大きな衝撃でした。乗務していた運転手の運転技術の未熟さが伝えられ
る度に、腹立たしい気持ちになった方も多いと思います。
しかし、なぜ貸し切りバスがダンピングに甘んじて仕事をしているのか?
そこを考える必要があると思います。
貸し切りバス事業の規制緩和が、他に先行して実施されたのが2000年。
それまでは需給調整の意味合いもある免許制であったものを廃止して、この
時、許可制に移行しました。
これにより、様々な企業が貸し切りバス事業に参入。供給過剰状態が続いて
いることが、低価格⇒賃金など労働条件の悪化⇒乗務員不足につながっている
と言われています。
問題は、規制緩和によって生まれる弊害は予め予想されるにも関わらず、事故
が発生した後に対策を講ずるということが繰り返されている点です。
◆タクシー特措法からライドシェア
タクシーも、2001年の改正道路運送法施行後、新規参入が加速し供給過剰とな
りました。この実態を重く見た国会では、2009年に「タクシー特措法」が成立。
以後2013年には、改正タクシー特措法が議員立法により成立しました。
これは「特定地域」と「準特定地域」を設けて、新規参入やタクシー車両の増車
を抑制しようというものです。
一方、規制緩和の流れは脈々と続いていて「白タク行為の合法化」されようとして
いるとして、危機感を抱いています。「白タク行為の合法化」とは、「ライドシェ
ア」のことで、普通一種免許を持ってさえいれば、お客を目的地まで有償で車に乗
せるというものです。
米国のスマートフォン配車サービス業者のUber(ウ―バー)が、昨年2月に福岡市
内でライドシェアの実験を実施。スマートフォンアプリから希望の場所を指定する
と、近くで自家用車を運転している人がタクシーのように無料送迎してくれるサー
ビスとのことで、国土交通省が「白タク行為にあたる」として中止を指導するとい
う一幕もあったそうです。
◆ライドシェアで安全は確保できるか?
タクシーが「事業者が車両を保有し運転者を雇用して、運行全体に責任を負う」の
に対して、ライドシェアは「事業者は仲介のみで、運行には責任を負わない」とい
うことになるでしょうから、例えば、タクシー事業者なら必ず行う乗車前のアルコ
ールチェックや、いざという時に備える「事業用の保険加入」などもないというこ
とになるのでしょう。
Uber社は「少子高齢化が進む日本では、支え合いの精神に基づいた問題解決は意義
がある」と述べているようだが、本当にそうでしょうか??