• 2013年09月22日

9月定例会議 その4~地方財政の充実・強化を求める意見書と市職員給与削減条例~

議会最終日の9月20日、職員給与を削減する条例が提案されました。

また各意見書は最終日に提案と質疑・討論・採決が行われることになっていますが、9月定例会議に「地方財政の充実・強化を求める意見書」が提案されました。

採決の結果、この両方が可決しました。

「地方財政の充実・強化を求める意見書」は、国の交付税減額措置を批判し、給与費をはじめ必要な財政需要を見よ、という内容の意見書です。

http://www.city.kashiwazaki.niigata.jp/html/gikai/homepage2/gian/PDF/

国は国家公務員の給与を二か年に渡り削減するのに併せ、地方にも地方公務員の給与を削減してほしいと要請しています。

国家公務員の給与削減の理由が、東日本大震災の復興のためというものですから、一般的に考えると地方公務員だって協力したっていいんじゃない、ということになるかもしれません。

しかし、国は何としても地方に給与削減を迫るため、地方交付税という地方固有の財源を減らして交付するという手段をとり、これらのことは二重三重におかしいというのが私の認識です。

何も私だけがそう思っているのではなく、全国知事会・全国市長会、そして我々地方自治体議員が所属する全国市議会議長会など地方六団体も抗議しています。

http://www.mayors.or.jp/p_opinion/documents/250127seimei.pdf

(地方六団体共同声明)

http://www.mayors.or.jp/p_opinion/documents/250127sankou0101.pdf (都道府県の行財政改革)

http://www.mayors.or.jp/p_opinion/documents/250127sankou0102.pdf (職員数の削減)

http://www.mayors.or.jp/p_opinion/documents/250127sankou02.pdf  (市町村の行政改革)

ですから、地方自治に関わる者であればこのようなやり方に同調するのはおかしいと強く思います。

例えば、地方公務員の給与が高いと考えている議員であっても、自分たちの自治体のことは自分たちで考えるから国はこんな強制はするな!と言うべきではないでしょうか。

また、このような国のやり方は地方自治に背くものだと述べていた市長は、「現実に地方交付税が減額交付されたとなると、市財政への影響を与える」として、

9月定例会議に市職員の給与削減条例と、それに対応する補正予算を提案しました。

地方交付税は7月に額が決まりますが、交付された額は当初予算を上回っており、そのために繰り入れを予定していた基金からの繰入額を減額補正したくらいです。

また提案された内容は、議案上程前に行われる市職員労働組合との協議において合意されないものでした。

ご承知のように、公務員は労働基本権が制約されています。

しかし、法的に認められている団結権によって労働組合を結成し、認められている団体交渉権を使って労働条件についての交渉を行うことができます。

これまで、給与などの労働条件については労働組合と使用者である市当局が交渉を行い、合意した内容が議会に提案されてきました。

この間、柏崎市独自の給与削減(今年3月まで5年間実施)など、職員にはマイナスの内容が多かったわけですが、それでも話し合いの結果合意してきたのです。

労働組合と使用者というと、常に対立した関係のように考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その両者間にはやはり信頼関係が必要です。

それはとりもなおさず、行政は住民福祉の向上のためにあるものであり、そのための実際の仕事は労働者である職員が行うものであるからです。

このような理由で、給与削減条例と補正予算案には反対しましたが、条例・補正予算ともに可決しました。

なお地方財政の充実・強化を求める意見書については、給与条例に賛成した議員の中にも賛成した議員がおり、賛成多数で可決採択されました。