- 2013年04月21日
NPO法人 建設政策研究所主催 地方議会議員研修会に参加
4月18日~19日に開催された地方議会議員研修会に参加してきました。
研修会は、NPO法人建設政策研究所主催。今回は第7回の研修会で、「住民の期待にこたえる地域づくりの今を考える」というテーマで開催されました。
初日は、東京都府中市が進める公共施設(建築物等)及びインフラのマネジメントについての記念公演と、自然エネルギーによる地域経済の振興と雇用創出についての実践報告。
二日目は三つの分科会に分かれての講義が行われ、私は「地域に役立つ公共事業政策を考える」を選択受講しました。
■財政状況が良好なうちに取り組むマネジメント~府中市の例~
東京都府中市と言えば、財政的には豊かな自治体というイメージがあります。現に、財政力指数は1.2、経常収支比率87.4%、実質公債費比率7.1%です(2010年度決算)。
しかし今後は生活保護費や子ども手当など扶助費が増加すると見込まれ、財政の硬直化が予想されているとのこと(これはほとんどの自治体で言えることです)。
そこで、公共施設(庁舎や市営住宅などの公共建築物)とインフラ(道路や下水道などの都市基盤施設)の両方について、今後の更新費用を算出して経費の抑制や平準化につとめようという取り組みを行っています。
公共施設については、現在の利用状況やコスト状況、そして今後の更新費用について情報を整理し、市全体として公共施設の最適化を目指すとしています。
柏崎市でも公共施設の保全管理の取り組みは始まっていますが、府中市で言うインフラについては、橋りょう、公園について所管課が長寿命化計画を策定、また水道や下水道についても所管しているガス水道局が更新計画を策定していますので、市が所有する公共施設・インフラの全体像は見えない状況です。
■住民生活の安全と地域経済の再生に役立つ公共事業政策とは
日本では公共事業が景気対策として行われてきましたが、国と地方の財政再建路線の中で公共事業費の抑制がずっと続いてきました。ここにきて、新政権は緊急経済対策として12年度補正と、2013年度当初予算でも公共事業関係経費を5兆2,853億円(前年度比15.6%増)計上。
しかし講師は、予算の規模だけを大きくしても、地域経済への寄与度は低いことを指摘していました。つまり、成長戦略・国際競争強化戦略に位置づけた大都市圏の環状道路整備などは、地域の建設事業者には関係のない事業で、もっと地域密着の地域経済に影響を与える事業でなければならないとしました。
特に今後、公共施設・土木インフラの老朽化対策には膨大な財源が必要となり、2030年ころには現在の約2倍にもなると予想されるとのこと。
今後の公共事業政策には、
①住民の福祉や生活の利便性に役立ち、災害や既存施設の老朽化から住民の安全を守る事業であること
②財政に過大な負担をかけない事業であること
③地域経済の再生に貢献する事業であること
④計画・実施・運営の過程で住民の生活環境を壊さず、住民から合意を得られる事業であること
などの条件にあったものであることが必要であるとしました。
講師が述べた「これからの公共事業は、新しいものは一切作らず、必要な施設の老朽化対策にお金を使うといった抜本的転換が必要」という言葉に、自分自身反省させられる思いです。