• 2013年03月24日

3月定例議会委員会審査(その3)と「これからの柏崎とエネルギーを考えるシンポジウム」

◇総合企画部・財務部予算審査が一日で終わらず

3月21日に行われた総務常任委員会の審査(総合企画部・財務部)は、とうとうこの日一日で終了せず、翌日に持ち越されるという結果になってしまいました。

審査に長時間かかったのが「明日のエネルギーを考えるシンポジウム等委託料」820万円。これは、今年度実施されている「これからの柏崎とエネルギーを考えるシンポジウム」に続いて来年度もシンポジウムを実施していくための予算です。

このシンポジウムは、㈲イーズへの委託事業として実施し、その中身は柏崎市民の実行委員が検討する形をとっています。総務委員からは、委託料が高すぎる、費用対効果をどう考えるのかなどの意見が続出。25年度事業については、このことを十分に考慮して実施するようにと宿題が出ました。

◇なかなか難しいシンポジウム

市長が「将来的には原発に過度に頼らない地域を目指す」と述べていることから、このシンポジウムは具体的にその道筋を付けていくいくことを目的としていると私は理解しています。

昨年9月に開催されたシンポジウムでは「原発反対と賛成の人々がこのように冷静に話しあうことができることに驚いた」という感想を多くの市民が口にしていました。

確かにこれまで柏崎市では、原発推進と反対の市民が同じテーブルで何か一致した方向を出そうと話し合うことなどなかったのではないでしょうか。

実行委員会の中にも原発に強く不安を抱き反対する市民と、原子力発電所は市の維持発展に必要と考える市民が委員としておられます。ですから実行委員会の段階でさえ、このシンポジウムの一致した方向性を出すのは大変難しかったのではなでしょうか。

結果として開催されたシンポジウムを見れば、原発反対の人にとっても原発推進の人にとっても、物足りない・なぜこの程度の内容に多額の委託料が必要か…という評価になってしまうのは仕方ないかもしれません。

◇2回目のシンポジウム開催される

モデレーターの枝廣淳子氏

モデレーターの枝廣淳子氏

3月24日(日)に開催された今年度2回目のシンポジウムは、「学び、そして考える エネルギーを作ること、使うこと」と題して開催されました。

モデレーターを1回目と同様、枝廣淳子氏が務め、基調講演は㈱中上英俊氏が行いました。

私の感想ですが、今回の講演の内容も確かに非常に重要な事柄であり、知識として聞いておくことは大切なことではあるが、今柏崎が抱えている課題と解決しようとする努力の中で、果たしてぴったりと言えるか?どうしても必要な内容か?と言えばそうではないような気がします。

痒いところを直接かかずに、その周りを摩っているような感覚ではありますが…、しかし一歩一歩進む過程と言えばそうとも言えるのかもしれません。

当日は枝廣氏が「エネルギーを使う」ことについて話をし、その後、中上氏が「エネルギーを使う(省エネ)」についての講演を行ってグループワークを行いました。

しかしその中でも大変印象深かったのは、実行委員である関矢浩章さんの閉会のあいさつ。関矢氏は、

「これまで原発賛成・反対の人は変わることはないと思っていた。人は自分が期待していることしか言わないものだ。

しかし、互いに心配なことはあるのだということが分かった。こちらのリスクを下げればこちらが上がるというように…。

一度だけでなく、何度も話をすることで、どこに向かって行けば良いのかが見えるのではないか」

柏崎では、人と話をする時に原子力発電所に関してどういう考えを持った人か、ということを気にするところがあります。

その部分で自分と同じ価値観だと安心するし、そうではないと身構えてしまうところが。そしてこの価値観はかなり強固なものだと信じているので、分かり合おうとする努力はムダだと決めつけてしまっているところもあるのではないでしょうか。

関矢さんが述べられたように、市民同士が何度も話をするうちに少し相手の心が見えてくるというところまで近づければ、この事業がそのような役割を果たせれば、柏崎の歩みの中でとても大きなことかもしれません。