• 2012年12月22日

12月定例議会終わる~分権一括法に係る条例案が多数上程~

12月10日~22日まで開催した12月定例議会が終わりました。

議案の中で特徴的だったのは、「義務付け・枠付けの見直し」に関する第一次及び第二次一括法(「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」というややこしい名前の法律)が成立したことによる、市条例の制定です。

これは、これまでは法律によって国が全国一律に定めていた道路などの基準を自治体が制定する条例によって定める「条例委任」が導入されたことによるものです。

例えば、公営住宅の入居基準は公営住宅法に規定されていますが、収入基準額や裁量階層の対象となる方の資格要件について条例で定めることができるようになりました。

他の自治体の例では、浜松市が定住人口確保策として市内中山間地域に限定して収入基準を上限25.9万円まで引き上げる、また愛知県は同居親族要件を維持した上で雇用対策として解雇された人などについて単身での入居も可能とするなどの独自規定をしている例があります。

これらの条例制定は、2013年3月31日までに行うとされているため、12月議会においていくつかの条例案が上程されました。

今議会に上程された条例で、都市公園や道路構造の技術的基準を定める条例においては、柏崎市独自の新たな基準はなし。市営住宅の入居資格などを定めた市営住宅条例に関しては、独自の基準を盛り込み一部改正が行われました。

公営住宅法の一部改正では、「入居資格のうち、同居親族要件の廃止」や「入居資格のうち、入居収入基準額を自治体の条例で定めること」「入居資格のうち、裁量階層(特に住居の安定を図る必要がある者として規定された高齢者や身体障がい者世帯など)の範囲を自治体の条例で定めること」などが含まれています。

柏崎市の条例では、収入基準額もこれまでと同じ額、そして同居親族要件も(公営住宅法では廃止としているが)これまで通り、障がい者世帯・高齢者世帯・子育て世帯などを「特に住居の安定を図る必要がある」同居親族要件とする内容でした。

 

これまで国が法令によって全国一律の基準を示していたものが、自治体が独自に考え判断した基準を条例によって定めることができるようになったことは画期的なことと言えます。

議会側からは、地方分権の考え方にそって、柏崎市に最もあった基準を検討したのかという質問もありました。

せっかく国の縛りを緩め自治体の裁量の幅を広げようというのに、当の自治体が国の基準の枠を出ないということへの不満のようなものがあるのかもしれません。

ただ、道路や河川といった安全性が求められる分野については、これまで自治体が拠り所にしてきた法令等で定められた基準が非常に妥当なものであるという面も大いにあります。

また自治体が独自に基準をつくるとなると、その科学的根拠や説明責任を求められるわけで、地方の自治体の力量では実行できにくい面もあるかもしれません。

私は、結果的に国の基準と同様であったとしても、それぞれの所管課が「柏崎市にとっての基準はこれで良いか」ということを一つ一つの基準について検討した経過は十分に意味があったものではないかと思っています。