- 2012年09月30日
これからの柏崎とエネルギーを考えるシンポジウム
9月28日(金)、29日(土)の二日間にわたり、「これからの柏崎とエネルギーを考えるシンポジウム」が開催されました。市はこのシンポジウムは「このシンポジウムは、原子力発電や再稼動の是非を問うものでなく、市民がそれぞれの立場や考え方の違いを超えてこれからの柏崎についてオープンに話し合い、協働していくためのキッカケづくりを目指す」ことが目的であるとしています。
シンポジウムの一日目は、「柏崎のこれまで、そしてこれから 」と題して、エネルギーに対していろいろな考え、立場の市民によるパネルディスカッションが行われました。パネリストは、
柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会 会長の新野 良子さん、
自給率&幸せ度向上中自然派ママの池野 里美さん、
柏崎商工会議所 常議員の石坂 泰男さん、
柏崎商工会議所 前専務理事の坂井 弘さん、
柏崎青年会議所 会員の竹内 一公さん、
新潟産業大学経済学部経済経営学科4年の 樋口 晃さん、
柏崎市刈羽郡医師会 副会長の本間 保さん の7人。
司会は、幸せ経済社会研究所 所長の枝廣 淳子さんでした。
聞くところによれば、原発立地地である柏崎市でこのようなシンポジウムを行えば、全国から脱原発を訴える人々が殺到するのではないかと危惧する声もあったそうです。
しかし当日は、確かにパネリストそれぞれは、原子力発電所に対して確固たる考えを持っておられるものの、冷静に(会場からのヤジなども飛ぶこともなく)パネルディスカッションが進められました。
このことは、会場から寄せられた感想の中で「原発についてこんなにも冷静に話し合いができるということに驚いた」という声があったことにも示されています。
二日目は、枝廣淳子さんの「しなやかに強い、幸せなまちをつくるために」と題した講演と、グループに分かれたグループワーク「柏崎井戸端会議」が行われました。
枝廣淳子さんは、 「幸せ経済社会研究所」で、持続可能性を土台に本当の幸せを経済や社会との関わりで学び、考え、対話する研究会などを開催されているとのこと。
枝廣さんが示した「柏崎井戸端会議」のルールは、一人の人がしゃべり過ぎない、人の意見を否定しないことなどで、原発とエネルギー問題のような意見が分かれなおかつ難しい問題であっても、人の意見に傾聴することが方向性を考える上で重要という意味なのだと思います。
柏崎市では、原子力発電所に関して意見がはっきりと異なる者同士は、お互い話をしても相容れないに違いないという思いから、真正面からその話をすることを避けてきました。
そうしないと人間関係を保てないという、阿吽の呼吸のようなものがあります。
しかし、そうばかりは言っていられない時期に来ているようにも思います。今回のシンポジウムは、ほんの入り口だったかもしれませんが、その練習という位置づけだったのかもしれません。
なかなか意見の一致など見いだせない、柏崎にとって大きな重たい課題ですが、話し合いを続けていくことが必要だと感じています。