- 2012年07月12日
柏崎市文化会館アルフォーレが開館
中越沖地震からの復興のシンボルとも言える「文化会館アルフォーレ」がオープンしました。
文化会館が建設される前の、市の市民会館は、県内他の自治体に先駆けて昭和43年に開館。長年、市民の文化の拠点として親しまれてきましたが、5年前の中越沖地震で建物に亀裂が入り、使用できなくなっていました。
7月8日の開館記念式典には、開館を待ちわびた1000人以上の市民が訪れて、開館を祝いました。当日は、施設建設にかかわった事業者への感謝状の贈呈や、設計者からの施設説明がありました。また開館記念公演として、国の重要無形民族文化財の「綾子舞」と、佐渡の太鼓芸能集団「鼓童」の公演が行われました。
文化会館アルフォーレの大ホールは、1,102席(1階721席、2階381席で多目的観覧室2室、車椅子席8席)です。二階席が掌(タナゴコロ)式を採用しており、舞台を取り囲むような配置になっています。またホールとしては大事な音響ですが、音響反射板を備えた、音にも自信があるホールとなっています。その他、小規模なコンサートなどに活用できるマルチホールや、会議室・練習室などを備えています。
また運営で特徴的なのが「パートナーシップ・アーティスト事業」。これは指定管理者である柏崎振興財団が、指定管理期間に実施するもので、柏崎市や新潟県にゆかりがある作曲家やアーティストから鑑賞事業に協力いただくほか、地元団体への指導も行っていただくものです。パートナーシップ・アーティストは、「池辺晋一郎」さん、太鼓芸能集団「鼓童」、若手演奏家集団「TOKI弦楽四重奏団」の皆さんです。
実は、施設の完成を心待ちにしていた市民の皆さんもいる一方で、「こんな大きな施設を作って今後の維持管理は大丈夫か」という声もあります。確かに「箱もの」に対して、不安視する傾向が強くなっていると思いますし、昔のように単純に建設事業を喜ばない市民も増えているように思います。
そういう視点は大変重要ですし、私もその気持ちは十分に理解できます。まあ、旧市民会館が使えなくなった時点で、「新しい会館は作らない」という選択肢もあったことは事実でしょう。中には、「隣の市のホールで良い催しがあった時に、送迎のバスを出しても、新しい施設を作るよりも安上りの筈だ」という意見も聞きました。
しかし柏崎市程度の自治体の規模で、またさまざまな文化活動の実施状況を見た中で、文化会館を持たないという判断をしたとしたらどうだったでしょう。
もちろん、中越沖地震から5年、この間市民会館が無くてもちっとも困らなかったという方もいるでしょう。しかし、練習の場所や発表の場所、そしてさまざまな公演が地元ではないということで、不自由を感じていた方もあったと思います。
7月8日の開館記念公演の際、司会者に「このホールの印象は?」と問われて鼓童のメンバーの一人は「ヨーロッパのホールのようだ」と答えていました。私はヨーロッパのホールを訪れたことがないので、よくわかりませんが、きっとそうなのだろうと感じています。また7月16日の中越沖地震合同追悼式の後行われた、自衛隊によるコンサートには、入場制限するほどの市民の皆さんが来館しました。市民の皆さんの期待の表れだとも思います。
これからは、末永く、私たちがこの文化会館を誇りに思い、大事にして、活用していくことが大切だと思っています。