• 2012年06月18日

「議員間討議」を試行

議会改革の一環で、お伝えした「請願者による説明」の他に、委員会審査における「議員間討議」を初めて行いました。

議会は「言論の府」と言われていますが、実際の委員会や本会議の場面では議員が行政当局に質問したり意見を述べたりするだけ。議員同士で意見を交わすことは意外にないのです。

そこで、議会改革に取り組んでいる議会では議員間討議を取り入れ、議員同士の議論を活発にしていこうとしています。

私たち柏崎市議会の議員間討議のルールは、

当局による議案の説明⇒ 委員による質疑⇒ (質疑を打ち切らずに)議員間討議⇒ 議員間討議と質疑の終結⇒ 討論・採決

私は、今回補正予算に計上されている「荒浜漁港」を、議員間討議のテーマとして取り上げてもらうことにしました。

荒浜漁港は、1979(昭和54)年から補助金を入れた建設事業がスタート。

現在の港の形が出来上がったのは、2004(平成16)年です。ご存知のように荒浜漁港は、砂浜の真ん中にあるため、他の岩礁地帯にある漁港と異なり、砂が入り込みやすい状態にあります。そのため、しゅんせつなどの毎年の維持管理費は、600万円~1,000万円ほどかかっていました。

それが2010年と2011年度の冬に、大変な風浪の発生で、それぞれ5,000万円も要するしゅんせつを実施することになってしまいました。

柏崎市は、砂の侵入を防ぐため、砂防堤を建設することを決定。

いくつかのシュミレーションを行い、建設費用と砂の侵入防止の効果を勘案した上で、昨年9月定例議会に建設費として1億2,500万円を計上しました。

しかし、冬期波浪のためその工事を冬期間中止。今年4月に再測量した結果、基礎部分が1mほど掘り下げられていて、設計通りの工事を実施するためには、2,500万円の工事費が必要という状況になっているのです。

今回の議会で、この2500万円の補正予算が計上されたため、この機会に改めて荒浜漁港について議員間で意見を交わすことにしたものです。

私の認識は、この2,500万円は昨年議会が認めた防砂堤建設工事に係る予算であることから、まずはこの砂防堤建設が砂を防ぐ効果を見ていく必要があるということです。

所管課の説明では、砂防堤が砂の侵入を防ぎ、「通常の維持管理費」に戻ると見込んでいるとのことでした。

他の委員からは、「荒浜港は漁網発祥の地であり歴史がある。漁業の場であると同時に地域にとっての大切な場である」「荒浜漁港にのみ多くのお金をかけることの説明が必要だ。漁業者だけではなく市民も活用できれば」などの意見がありました。

議員間討議を行っている議会では、討議のテーマの選定の仕方も、あらかじめ論点整理を行うなどの工夫をしている議会も多いようです。

私たちの議会でも、今回は試行で行ったわけですが、今後は工夫をする必要があると思います。

それでも、議員間討議を行おうと思うと、その項目についてあらかじめ質疑を十分に行うとか、引き続き討論もしっかり行うという流れになるようです。

試行をしてみて、やはり議員間討議は意義があると感じました。