• 2012年03月24日

文教経済常任委員会での審査~教育委員会~

2012年度予算の委員会審査の続きです。

3月18日(金)教育委員会所管の議案について、審査が行われました。

教育委員会は、当初予算の審査にあたり「教育施策実施上の努力点」

を示します。これは、柏崎市教育委員会が2012年度の教育施策を

実施していく上での基本的な考え方を示すとともに、多くの教育施策の

中で特に力を入れて取り組む必要があることについて述べるものです。

市長が施政方針を示すのに対して、教育委員会は、この「努力点」を

示すことになります。

その中で、基本的考え方として、次の四つを掲げています。

○理念・意図するところを「子どもの姿」で評価

○子どもや親を取り巻く環境を整備

○関係機関相互の連携を充実、強化

○充実した学び・健康づくりへの機会提供

そして、具体的取組みについては「1 柏崎の教育3・3・3運動」と

いうような形式で15のテーマ・項目を挙げています。

このように「教育施策実施上の努力点」に取上げた施策の中から、

何点かを選んで質疑し教育委員会としての取組みや考え方を確認

していきました。 

□教育施設整備について

「努力点」の中では、学校の老朽化の現状と長寿命化や耐震補強の

必要性と、北条小学校や第五中学校など個別事業について述べられ

ています。

学校の耐震化率は、2011年4月には小学校の89%、中学校の92%

まで向上。これまで柏崎市教育委員会として、耐震診断・耐震補強工事

に取り組んできた成果の数字だと思います。2014年度末100%を目指す

としています。

予算書には、鯨波小学校の大規模改修費も計上されています。この工事

について質したところ、長寿命化計画に基づく改修であるとしました。

過去に整備した橋や公園、トンネルなどの公共施設が老朽化し、それを

今後どのように「もたせる」かが、全国的にも大きな課題となっています。

学校も例外ではないというわけです。柏崎市の学校は、建設後30年を

経過している建物が全体の30%。教育委員会は、長期的(60年)に

学校を使うには30年で一定の改修を行うという基本的な考え方のもと、

学校の長寿命化計画を策定。今回の予算の計上は、この計画に基づく

ものであると説明しました。

また、2011年度をもって閉校となる門出小・高浜小の解体工事の設計

委託料も、計上されています。 

□学校給食

学校給食の特筆すべき点は「コシヒカリ」給食の実施でしょう。

長年、農業委員会や議員からも「コシヒカリ」の使用を求めてきました。

教育総務課長の説明によれば、2012年産の米を用いるとして、11月

から全量コシヒカリを導入。課題とされていた給食費への跳ね返りに

ついても、給食費の値上げをせずに実施するとしました。

また2012年度は、学校給食用食材の放射能検査も実施。

週二回3検体を長岡市まで運搬して簡易検査を実施するとしました。

答弁によれば、現在のところ、学校給食食材の放射能不安の声は

一件しか寄せられていないとのこと。こ

の検査も、市場に流通している食材は基本的には安全という考え方に

立ち、過去に出荷制限があった地域の食材を選んで検査し、40ベクレ

ル以上なら精密検査を行うとしました。

4月から食品の基準値が厳しくなることもあり、こうした対応は子ども達

への安全な給食の提供の意味で重要な取組みだと思います。 

□早期療育について

早期療育事業を含め、子育て支援施策を実施している子育て支援センター

は、これまで子ども課の傘下にありました。4月からは一つの課として独立

ます。乳幼児の健康のための健診や予防接種といった、予算書上では4款

衛生費の予算があり、また近年増加している児童虐待への対応や、養育の

力量が不足している親への積極的支援など業務量が増加していることが

背景にあるようです。

発達の心配があるお子さんたちに提供されている早期療育事業は、子育て

支援センターの重要な事業の一つです。柏崎市の早期療育は他市からの

評価が高く、乳幼児健診→早期療育→保育園入所など集団生活→学校へ

の就学といった仕組みも、作り上げられてきました。

委員会では、発達障害の新たなスクリーニング検査を試験的に1歳6か月児

健診受診者全員に実施し、導入の検討をしていくことを確認しました。 

□博物館

昨年かなりの議論があった博物館の「冬季閉館」が実施されています。

市は今期の指定管理にあたり、細かく業務やその優先順位を記載した

業務仕様書を示しました。その中で収蔵資料の整理とデータベース化を

行って、資料の有効活用と公開を行うことを求めています。

昨年、私は一般質問で博物館冬季閉館を取上げました。

「年間四か月もの閉館というのは博物館という施設の性質上、あまり例が

ない。来館者が少ない冬季に館を閉じて、その時間を収蔵品の整理等に充て

よということであれば、冬季の時間を充てなくてもそのことが達成できるのでれば、

反対に冬季閉館は必要ないということか」と質しました。

今委員会で、収蔵品の整理状況について質したところ、必ずしも十分にできた

とは言えないとの答えでした。

また、現在の指定管理期間は3年間です。既に一年間が経過するわけですから、

残り二年。博物館職員は学芸員という専門職ですから、博物館の今後の方向性が

はっきりしないと、職員採用をどうするかという課題もあります。行

政側としての考え方を明確にする時期に来ているのではないかと意見を述べました。