- 2012年01月11日
JA柏崎・愛菜館利用組合の皆さんと懇談会
1月10日、議会文教経済常任委員会が検討している「食の地産地消条例」について、
JA柏崎と愛菜館利用組合の二団体と懇談を実施しました。
地産地消条例案は、既に議会内で数回の意見拝聴・意見交換会を実施。そもそも
条例案の素案は、生産者や市民・JAなどが参加する条例検討委員会が検討し作った
もの。しかし議会内から出された意見を加味して修正してきたので、この機会に地産
地消に関係する団体の皆さんに、改めて意見をお聞きするために懇談会を開いたも
のです。
現条例案に関して、二団体の皆さんからは特段の意見はなく、むしろ、愛菜館利用
組合の会員からは「まだ(上程もせず)このような段階にあるのは遅すぎるのではな
いか」という苦言をいただきました。この懇談会では条例が制定された後(あるいは
条例が制定されたとしても)課題と感じていることについての意見交換が主となり
ました。そういう意味では意義のある懇談会になったと思います。
まず柏崎市における地産地消の現状は、次のように見解は一致。
米の単作地帯であった柏崎市の生産者には、もっと野菜など園芸をと求められてい
るが、販売の場が無かった。JA柏崎が直売所である愛菜館を平成22年5月に設立
したことによって、「販売の場」確保という課題解決に大きく前進。それは、22年度
売上高と23年度売上高を比較して伸びている現状からもわかる、というものです。
これまで米以外を作って、年間収入100万円を超える農家がどれだけいたか。
愛菜館がオープンして、そのことが可能になったと生産者は感じているとJA柏崎の
田村理事長は強調しました。
しかし課題もあります。例えば、地元生産者の農産物とそれ以外の市場からの仕入
れ商品。平成23年3月~12月までの、市場からの仕入れ商品は5,406万円である
のにに対して、地元農産物は4,466万円。半分以上は地元外の商品(農産物)を仕
入れて販売していることになります。
この点については、愛菜館利用組合の生産者の声がその答えになると思います。
つまり(主には)冬場の農産物。雪が降るわけですから、葉物を提供したいと考えれ
ばハウス栽培になります。ハウスが十分普及していない中で、県外・市外の農産物で
ある仕入れ品に頼らざるをえないということでしょう。販売の場ができたことで大き
く前進したものの、更に園芸を振興するためには、冬の対策をはじめとした手立て
が必要だということになります。
さて、地産地消条例案の第9条には、市の施設における地場産品の優先利用を謳って
います。市の施設の代表的なものが学校だと思いますが、柏崎市の学校では既に
地産地消に取り組んでいます。学校給食で取り扱う品目(野菜)は、平成20年
の品目数が8品目16.6tだったのに対して今年度は21品目19.3tにのぼっています。
このように着実に地産地消が推進されているようですが、農産物を納める生産者に
とっては様々な“言い分”があるようです。その大きなものは、規格と価格。厳しく規
格を揃えることを要求される割には価格が安いというもの。求められる規格は「スー
パーA級品だ」と話していました。
学校給食現場と生産者はもっと折り合うことができるのか?
ここからは私の考えですが、柏崎市の学校給食は自校方式(各学校で給食を作る)
から、共同調理場方式に早い段階でかえてきました。行政改革としてもっとも早く
このことが取り組まれてきたのです。その結果、各共同調理場が調理食数は
数千食。それを給食時間に間に合うように調理しなければなりません。当然機械作
業も多くなるでしょう。つまり規格が揃った材料でなければ、時間内に調理すること
が困難ということなのでしょう。もう一つの「低価格」という部分。これは、とりも
なおさず「給食費」との兼ね合いだと思います。保護者から納めていただく給食費。
この給食費は食材の材料費です。現場では、年間提供する給食が費用配分を誤ら
ないように、最後3月できちんと収まるように… ということに頭を悩ますと言います。
安全安心な食材を使いたい、しかし価格は抑えないとお金が足りなくなってしまう、
そして日々、時間に調理を仕上げるためには食材の大きさなど規格が重要…
ということになるのでしょう。
この日の懇談会。条例ができあがった後も、地産地消計画を実効性あるものに
していかなければならないということを実感した懇談会でした。