• 2011年10月12日

夢の森公園先進地視察で、夢の「まつたけ山」へ!

10月11日、連休明けの火曜日、夢の森公園が毎年実施している
先進地視察事業に参加してきました。例年よりも参加者が多いということで、
柏崎タクシーのバス二台に乗り込み、長野県伊那市へ!

高速道路を降りて、視察の前にお楽しみの昼食。なんとマツタケのすき焼き!

舞茸やマツタケなどキノコ満載のすき焼き

 

マツタケすき焼きをいただいた後、上伊那森林組合の職員の方の案内でマツタケ山を目指しました。 

とにかくバスでひたすら上り、マツタケ山として整備している1200メートルの地点に到着。

上伊那森林組合は、入会地であるその山をマツタケ山として昨年整備。

整備したその年にマツタケを収穫することができたそうです。このように早くマツタケが

出ることの方が稀だと言いますが、条件が整えば整備を始めてから数年後からは、

マツタケにお目にかかることができるとか…! 

説明をいただいた上伊那森林組合伊南支所長であり樹木医の吉見氏によれば、

「正しく森を見極め(本当にマツタケに向いているのか)、正しい整備を行い、松の樹齢が

適切(20年位が良い。60年を超えるとマツタケが生える可能性が薄くなる)であれば

収穫可能」とのことでした。

またマツタケは、農業よりも収益率が高く、整備にかけた経費の数倍の収益が期待できる

とのことで、現に豊作だった昨年は3000万円の売上げがあったそうです。

 

実は、夢の森公園で先進地として「マツタケ山」を選択したのは、夢の森公園で

マツタケを生やそう!という壮大な(?)計画があるためです。私も、そのための落ち葉かき

に参加したこともあります。

しかしいくら落ち葉をかいてもマツタケが出る気配はなく、やり方が間違っているのか、何が

原因でマツタケが出ないのか勉強しようということになったのです。

夢の森公園、つまり軽井川の山は、その昔マツタケがよく出たことで有名な山でした。

だから、マツタケが出る要素は十分にあると言うのです。

一緒に参加した軽井川の大矢さんによれば、秋にはサマツをたくさん採ったと言います。

ではその頃の軽井川の山はどんな風だったか、また軽井川の人々は山でどんなことをして

いたのかというと、春には下草をきれいに刈り、また落ち葉や松葉もしっかりとかいたと

言います。それは何もマツタケを生えさせるために行ったのではなく、松葉は焚き付け

に、また里山の樹木は薪炭材として生活に必要なものだったのです。

山をきれいにしようという意識ではなく、生活のために山に入り、山の木々などの恵を

いただいて帰るという生活の結果として、それがマツタケが生きやすい環境であり、

秋にはマツタケをいただくことができたということです。薪も松葉も必要なくなった現在。

マツタケ欲しいがためにだけ、根気づよく山と付き合うということは、現代人にとって面倒な

ことになっているのだと思います。

吉見氏はこんなことも述べていました。「マツタケのために、大勢で山に入り、一気に力任せ

に山に対して手を加えるというのは、マツタケをはじめ生き物にとっては刺激が大きすぎるん

です。撹乱が強過ぎるんです。」

「でも入会地の地権者である集落の人々と一緒に作業を行い、秋にマツタケが出てくると、

ああ作業の内容は間違っていなかったと思う。そして、山を出てきたマツタケをとても愛おし

く思うようになるんですよ」

「マツタケは確かに高価だ。だけど、投資しただけ収益が上がらないと困ると言っても

そういうものではない。だけど、秋に顔を出したマツタケはそれを見た人を笑顔にする力が

あるんですよ」と。

上伊那森林組合が作成した「実践マニュアル マツタケ山整備」を購入してきました。

見ているだけでも楽しいですが、いつか自分の山でも実践できたらいいなあと思っています。