• 2011年09月18日

さざなみ学園民営化について

「さざなみ学園」の民営化について9月14日の厚生常任委員会で説明を受けました。

さざなみ学園は「知的障害児入所施設」です。北陸地区(新潟・富山・石川・福井)

の知的障害児施設は29施設、うち入所施設は16施設あります。

うち、市町村立の入所施設はさざなみ学園一園しかありません。

その意味でも重要な公立施設と言うことができると思います。

その施設を民営化すると発表があってから、入所児の保護者の方々が民営化に

不安があるとして、市との間で話し合いが持たれてきました。

このたび、保護者の「民営化への不安」を軽減する方策として、「平成24年度

いっぱい職員5名を派遣する用意がある」という方針を市長が保護者に伝えました。

このことに対しては、保護者会総会を持って結論が出されるということですが、

その状況まで進んだと議会厚生常任委員会に説明があったものです。

私はこの問題を考える上で、保護者の皆さんがどのような意向であるかを知る

ことが必要だと考え、昨年「移動市長室での保護者会との懇談」を傍聴させて

いただきました。

そこで最も強く感じたのは、保護者の皆さんが「現在のさざなみ学園職員(市職員)

の子ども達への対応に大変満足している」ということです。

保護者の方々は、具体的に事例を挙げながら、職員の対応は「療育の視点を

持った対応」だと市長に強く訴えていました。

療育とは「発達障害のある子どもさんが、機能を高め、社会的自立生活に向けて、

援助すること」と言われています。さざなみ学園の職員が、子どもたちに対して

行う対応に、「社会的自立を手助けしよう」という視点があることを高く評価して

いるのだと思います。

保護者の皆さんの思いは、自分の子ども達だけがそのような対応を受けていれば

いいということではなくて、そのような療育機能を持った障害児施設が必要なのだと

いうことを言いたかったのだと思います。

実は、この思いはさざなみ学園の職員自身も同じだったのです。

さざなみ学園は、障害を持ったお子さんを単に預かる施設ではない。

療育の視点を持って子どもたちを支援してすることが必要だ。さざなみ学園の職員

として培ったこの力は、さざなみ学園の職員として働いた時に、最も柏崎市民に

還元できるのだ。

そういう強い思いを持っていることを、彼らと話し合って知りました。

このような状況を理解して私は、平成22年9月定例議会において、さざなみ学園

民営化の問題を取り上げました。

一般質問では、さざなみ学園において実施されているような「療育」を今後も

きちんと行える施設があるべきだ、ということと、民営化後のさざなみ学園職員

の力は、その培われた力を十分に発揮できる部署で活用しなければならない

ということを訴えました。

さてそのような経過を経て、平成24年4月民営化に向けて最終段階というところに

来ているようです。 施設を受けていただく「社会福祉法人柏崎刈羽ミニコロニー」は

知的障碍者入所施設を運営していますし、その施設はさざなみ学園に隣接している

ので、経験や他の条件から言って適切だと思っています。

私が心配しているのは、「障害児」の入所の枠を今後もきちんと確保していく

ことができるかということです。

実は現在のさざなみ学園では、「児」の年齢を超えてしまった成人の入所者の方々

が入所しています。民営化後の新施設は、「福祉型障害入所施設」と「障害者入所

施設」の併設型となり、定員をあわせて45人とする方針だということ。「児」で

入所した子ども達が、そのまま年齢があがって大人に(者)になっていくと、

定員の枠から入所する必要性が高い子どもたちが入所できないということになりは

しないか、という心配です。

14日の委員会説明会では、この点について市が十分配慮してほしいと要望しました。