- 2011年09月11日
広瀬 隆 さんの講演が行われました
9日18時から、柏崎市産業文化会館で、広瀬隆さんの講演が行われました。
広瀬さんはノンフィクション作家として、反原発の活動を続けている方です。
広瀬さんの著書は読んだことがありますが、ご本人のお話を聞くのは初めて。
60歳代と言われますが、21時まで3時間、みっちりの講演でした。
広瀬さんは冒頭、「私は皆さんに、柏崎刈羽の原発を止めてほしいとお願いに来た
のです」と私たちに語りかけました。
それくらい、今稼働している原発を止めることは差し迫った問題だと言うのです。
その理由は地震。 阪神淡路大震災以後、日本は地震の活動期に入っており、
あの東日本大震災に続く大地震がいつ起こってもおかしくない。
そのような地震が起きた時、必ず、日本の原発は破損する、と話しました。
「破損する」と言い切れる第一の理由は、
「福島第一原発が津波ではなく地震の揺れで大事故になった」というものです。
えっ? 福島原発は「想定を超えた津波で、全電源が喪失して過酷事故になった」
と、電力会社も国も言っていますよね?! 広瀬さんはそうではないと言います。
このことは、田中三彦氏が原発の事故後のパラメータなどから結論づけたものだと
しました。
田中三彦さんは元原子炉設計技術者で、原子炉設計の仕事を辞めた後、原子力発電を
やめるべきだという立場で、長く活動を続けている方です。
田中氏によれば、東京電力が発表した原子炉圧力容器内の圧力を示すパラメータ
は事故翌日深夜には大きく低下していて、この症状は原子炉に繋っている無数の配管
に亀裂が入るなどして破損したことを裏付けるものだとしているのです。
つまり1号機は、①配管の損傷(を裏付けるデータ)⇒
②圧力容器の中の蒸気が抜ける ③冷却材(水)の喪失 ⇒
④水素ガスの発生 ⇒ ⑤水素ガスが格納容器内に出る ⇒
⑥水素ガスが格納容器を押し上げてオペレーションフロアに出る ⇒
⑦(オペレーションプロアは窒素充填していないので)水素爆発発生
と見ているのです。
だから、「想定外の津波による事故」ではなく、日本中の原発はこの福島原発と
同じように、地震が発生すれば重大事故につながる破損が発生するとしているの
です。
京都大学原子炉実験所の助教 小出裕章氏は、著書「原発はいらない」の中で
次のように述べています。
「このメルトダウンの可能性を、私は事故の当初から指摘してきました。3月21日と
22日に、原子力安全・保安院が実施した調査でプルトニウム238が検出された
からです。プルトニウムはウランを核分裂させた時に副生される放射性物質で、
~中略~ これが検出されたというのであれば、原子炉がかなり初期に
メルトダウンしていたことを示します。」
今冷却装置で冷やしているのは、メルトダウンして塊状になっているはずの燃料棒です。
本当に格納容器内に留まっているのでしょうか??
もし格納容器の底も突き破っているということはないのでしょうか?