- 2011年08月02日
議会はしっかりと役目を果たせ!
7月29日「分権時代の議会の役割と議会の改革」と題して、日本経営協会専任講師
加藤幸雄氏から講演いただきました。
柏崎市議会は今、議会改革を進めようとしています。
柏崎市議会の議会改革は、昨年6月の議員定数削減以来ストップしています。
しかし議会報告会や議員間討議など、まだまだ行なっていないことが多くあります。
そこで9月定例議会に、議会改革特別委員会を設置することを目指して、
議論をはじめました。
まずはそれに先立って、議員みんなが課題を共有するために、この合同議員研修会を
開催したのです。
講師は次のように述べて、議会に「しっかりと役目を果たせ」と激励しました。
(私は激励されたと思っているんですが…)
・議会は何のためにあるのか? それは主権者たる市民のためにあるのだ
そこをちゃんと押さえていれば、会派間対立などない筈だ
・自治体は二元代表制 つまり機関対立型システムだ。 26人の議員全体で
対立型にしていかなければならない。
・議会は委員会中心主義だ。この利点は、迅速性、専門性、柔軟性などだ
だから、二年で交代すべきでない。委員会の委員人数が少ないのも問題。
・自治体議会の役割の一つに条例の制定がある。 現状は95%が行政側の
提案である。
更には行政側から上程された議案に対して99%が「原案可決」だ。
これはおかしい。 修正可決がもっとあってしかるべきだ。
・行政の統制つまり、行政のチェックも大きな役目だ。
・しかし議会召集権を持っているのは市長。
(議長にあるのは召集請求権だけだ。)
しかも行政執行部は行政のプロだ。
だから、行政側優位なのである。
市長に好かれるよな議員は議員としての役割を果たせない。
・予算の議決・決算の認定も議会の役割。 専決処分させない議会でなければ
ならない。 通年議会なら専決処分させずにすむ。
・市長も議員も選挙を経て市民から選ばれているというが、議員の方が人数が
多く多様な市民から多様に選ばれているのだから、議員は市民の意思を示す
立場と心得なければならない。
講師は「よい話を聞いたなどと言ってもらわなくて良い。ちゃんと議会改革を進めること
が話の成果だ」と、厳しく言い放ちました。
加藤氏のお話は、私にとってギリギリと突きつけられるような中味でした。
多分多くの議員が、執行機関である行政側の力の強さを感じている筈です。
首長や行政職員にしてみれば、予算も他の議案も議会から可決してもらわないと
執行できないので、議会は「うるさくやっかいな存在」と写っているでしょう。
しかし加藤氏も述べているようし、議会の召集権一つとってみても、行政の力は
強いのです。
常々、そう思っていた私にとって、加藤氏の話は「そんなことを言ってちゃダメだぞ」と
叱咤されたような感じがしています。
加藤氏は講演の中で、阿久根市の市長、大阪府の知事の例を用いて、首長の暴走
を問題視する発言を度々されました。
平井一臣氏は著書「首長の暴走 あくね問題の政治学」の中で、竹原阿久根市長
について、次のように述べています。
「改革のためならルールは無視してもかまわないといったスタイル。改革への支持を
取り付けるために、敵を設定し敵を徹底的に攻撃することによって支持を拡大すると
いう政治手法。あれこれと丁寧に説明するのではなく、断定的なワンフレーズを多用
する姿勢。~中略~ 今日の日本政治の中で好まれやすい政治的パーソナリティを
極端なかたちで示しているのが竹原市長と言えるのではないでしょうか。」
また一方、議会については次のように述べています。
「分権改革が進む中で乗り遅れたのが地方議会でした。~中略~ 90年代以降は、
地域に対する住民の関心が高まり各地で住民投票が試みられました。そして、こうした
動きに最も否定的な態度を示したのが、地方議会でした。
自分たちは選挙で選ばれた代表者であるということに安住し、積極的に住民と連携しよう
あるいは議会の活動を住民に伝えようという動きは極めて鈍かったと言わざるをえません
~中略~ 議会改革をおろそかにしたツケが、住民の議会に対する極度の不信感を
招き、あくね問題を引きおこす要因の一つになったと言ってよいでしょう。」
まあ、阿久根市の市長のような首長が、そう多いとは思えません。
市長・行政の行うことが、市民の意思と大きくかけ離れているようなことも、度々あるとも
言えないように思います。
しかしだからと言って議会は、追認機関になってしまってはいけない、それでは市民の
支持は得られませんよ、ということだど思います。