- 2011年07月19日
昔の記憶がよみがえる 岩之入
結婚してから10年間暮らした、西長鳥の岩之入。
今はもう家を取り壊してあるが、冬期間炊くストーブの薪置き場になっている。
岩之入には、JR信越線の長鳥駅がある。
昔、機関車から出る煙で家を消失したことがあるのだそうで、それくらい線路と家が近い。
家の庭の先には長鳥駅のホームがあって、家の中にいても列車が駅に入ってくるのが
音でよくわかる。
岩之入にあった家は、裏が山で、敷地内に池があって、冬はものすごく寒いが、
夏は涼しい風が入って心地よかった。
ムカデやカメムシなど、私が生まれ育った中浜では見たこともないような虫たちが
一緒に生活しているような具合で、最初は閉口したが次第に気にならなくなったものだ。
家の前の庭には大きなカシの木、イチョウの木、杉の木、キュウイの棚などがあって、
特にカシの木の下に砂場を作ってあったので、子どもたちに遊び場だった。
長男は小学校3年生まで、長女は小学校1年生までここで過ごした。
よほど、この地を気にいってか、引越しが近づくと、ここを離れたくないと真剣に言ったものだ。
こんな思い出多い岩之入に、18日海の日久々に、弁当持ちで作業に行ってきた。
いただいた薪用の木が、そのまま積んであるので、たま切りにしなければならない。
夫が要領よくチェーンソーで切るために、木を差し出す手伝いに半日以上費やした。
おかげで、薪だなに積んでも差し支えない細い薪は全て積むことができたし、
割る必要のある木のみを他に積み上げた。
さて、あとは庭の草刈り。
毎週でも来て、手入れをしていれば、こんなにものび放題にはならないが、
見渡す限り、草だらけだ。
草の中に石などが隠れていることも多いので、草刈機を思いっきり振り回すと危険だ。
本当は線路に続く土手まで、きれいに刈りたかったが、時間切れとなった。
それでもかねてからの懸案(私だけの)だった、カシの木の下の砂場を撤去できた。
砂場は、軽トラックの荷台保護用のプラスチック製の軽トラックカバーを代用していた。
その空色の「砂場」を見ると、子どもたちがカシの木の下で遊んでいるのが目に浮かぶ。
だから何となく取り除いてしまうのもさみしいような気がしたが、「砂場」の中にも
容赦なく草が生えているし、庭の草刈りをするのにじゃまなので、
やっぱり取り除くことにした。
一日仕事で、かなり疲れたが、やってしまいたいと思ったことはなんとか片付いた。
家があった場所は畑になっているが、それでも目を瞑れば昔の家が浮かんでくる。
家まで上ってくる小路に目をやれば、小さかった子どもたちが駆け上がってくる姿が
見えるようだ。
昔と変わらない風景と、電車の音が何年たっても記憶を呼び起こしてくれる。