• 2011年06月06日

新潟県女性議員の会総会 ~県知事による講演~

6月6日(月)新潟市議会全員協議会室にて、「新潟県女性議員の会」総会が開催されました。

新潟県女性議員の会は、党派を問わず、新潟県内の県・市町村女性議員が組織している会です。

活動としては、年二回の研修会と県の予算編成時に知事への要望活動を行っています。

今日は総会に併せて、東日本大震災が発生したことに伴う課題について学ぶ研修会を開きました。

泉田県知事からは「福島第一原発事故による新潟県への影響について」と題して、講演をいただきました。

新潟県には柏崎刈羽原発が立地しているわけですが、県独自で専門家の意見を聞く「技術委員会」を設置しています。

このことを見ても、原発の安全性に対する姿勢がうかがわれるところですが、今日の県知事の講演を聞き、更に原発に対する姿勢・県民の安全を守る姿勢がよく理解できました。

以下、知事の講演を要約します。

○政府の情報の出し方が問題

・福島第一原発の事故に対する国の対応に関して、最も指摘したいのが「情報の出し方が不十分」ということだ

・発災後、新潟県は福島県から職員を派遣してほしい、モニタリングポストを借してほしいという要請を受けた

・新潟県はモニタリングポストを職員に持たせ派遣した

・しかしその後、国からは帰庁するよう言われ、モニタリングポストによる放射線の測定も行わないようにと言われた

・国民に対して、まずは十分にデータ・情報を出すべきであり、国民がそれを知った上でどうするかを判断できるようにすべきだ

・情報を伝えずリスクだけを押し付けるのはおかしいと思っている

○新潟県への飛散等はあったのか

・環境放射線の測定値は、6月6日(8:00)新潟市0.053、長岡市0.046、阿賀町0.060、柏崎市0.041、上越市0.043マイクロシーベルト毎時となっている

・河川水は、阿賀町阿賀野川鹿瀬橋で、放射性ヨウ素180ベクレル/㎏(3月18日)、放射性セシウム15ベクレル/㎏(3月17日)の値が出ている

・県内産野菜は、全くと言っていいほど、放射性ヨウ素も放射性セシウムも検出されていないが、

唯一、村上市の「つぼみ菜」と「荒茶」に、わずかに放射性ヨウ素・放射性セシウムが検出された

・実は、福島原発の真西にある自治体は新潟県のみだ

・新潟県は山脈と偏西風によって守られているのだ(例外は真東から風が吹く時のみ)

○国が示した暫定基準値は問題

・国は3月17日に野菜の暫定指標を2,000ベクレル/㎏に変更している

・これに対し、WHOの基準は野菜が10ベクレル/㎏だ

※WHOの基準で、「餓死を避けるために緊急時に食べざるを得ない非常事態時の数値でさえ1,000ベクレル/㎏なのだ

・アメリカの飲食物の法令基準は170ベクレル/㎏  

・どう考えても日本の数値設定は高い

県知事はこのように述べ、新潟県としては放射線量の測定や県民に対する数値を周知することによって、県民の健康と安全を守る姿勢を示しました。

私たちとしては、かなり突っ込んだ話の内容で、驚いたというのが率直な感想です。

しかし国の対応をそのまま肯定するのではなくて、不十分な部分を批判して、更には県として独自の取組みを行っているということについては、安心感と頼もしさを覚えるのは私ばかりではないと思います。

今後は、新潟県地域防災計画を見直していくことになると思いますが、実効性の高いものにしていくことが必要です。