• 2011年05月12日

浜岡原発運転停止要請! 

菅首相が中部電力に対して浜岡原発の運転停止要請を行いました。

そして中部電力はこの要請を承諾しましたね。

突然の要請であり、全くすり合わせも行っていなかったということで、大きな驚きを持って受け止められました。

新聞各紙もこぞって大きく取り上げていますが、否定的に指摘している紙面では、ポイントは次の二つかと思います。

①なぜ浜岡だけなのか。他の原発については停止を求めないこととの整合性は?

②浜岡原発が電力を供給しているエリアも重要産業が多い。夏場の電力逼迫の不安など、よく検証したのか?

という内容。

福島原発の大事故によって、原発立地自治体では少なからず不安を抱いています。

わがまちの原発の安全性は大丈夫かとか、国のエネルギー政策はどの方向に行こうとしているのかとか、それによって既に立地している自治体に対する施策はどうなっていくのか、といった不安です。

そんな不安があるところに、「浜岡は停止」という号令をかけたら、じゃあ他の原発はどうするつもりなの?? と、更に混乱させるじゃないか! という不満があります。

確かに、定期検査などで止まっている原発を稼動させる(本来は立地自治体の首長の承諾は必要ないんだそうですが)ことについて慎重になる自治体が多くなるのでは??と言われています。

しかし、私は、首相はよく言ったなあ、と思います。

色々考えたら、普通は言えない。 

広瀬隆氏によれば、「日本の太平洋側では、巨大地震の東海地震と南海地震がほぼ100年から250年の間隔で、必ず周期的に起こってきた歴史の必然性がある」のだそうです。(双子の地震と呼ばれているそうです)

更に次のように述べています。

「最後の東海地震は、1854年の安政東海大地震になる。 ~中略~ 2010年現在は、それからすでに156年後にあたる。したがって、時期的には、東海地震の発生周期のリミットを切って、すでに発生周期内に突入している」と!

だから、首相が“突然”要請したことについて、かなり否定的に報道がされていますが、浜岡は特別なのだとしたら、私はもっと肯定的な報道があっても良いのではないかと思っています。

さて、しかし注文を付けたいこともあります。

まず一つ目には、なぜ原発の安全対策ということで「防潮堤」だけが言われるのかという点です。

浜岡原発も「防潮堤の整備がされるまで」ということですよね。

だって、防潮堤を整備すれば万全という訳ではないでしょう。

やっぱり、安全対策は「揺れ」に対する対策だと思います。

柏崎刈羽原発だって、中越沖地震の時の揺れの加速度を見ると、想定していたものを上回っています。

特に二号機の揺れは、想定の3.6倍にもなっているのですから。

二つ目には、再生可能エネルギーに取り組む姿勢です  !

再生可能エネルギーの比率を本当に高めようとするのだったら、ちゃんとその姿勢を示してほしいと思います。

例えば日本企業は、世界の各国で地熱発電のプラントを受注していると言います。

そういう技術は持っているのに、なぜ日本で実用化が進まないのか??

また、日本の国土は傾斜が急で険しい上に降水量は多いことから、小規模水力発電に向いているとも言われています。

(今日、市の環境を所管する課に、「国は再生可能エネルギーに力を入れるって言ってるけど、何か具体的な施策を示してきているの?」と聞いたところ、残念ながら今のところ全くそういうことがないとのことでした)

当面電力供給を原子力発電に大きく頼るとしても、再生可能エネルギーに関する政策をはっきりと見えるようにしてほしいと思います。