- 2011年04月10日
仕事に就く時期を迎えた親の不安・子の不安
子どもの就職について心配する親が確実に増えているように思います。
何とか頑張って、大学に進学させ、卒業まで学費や生活費などの仕送りを送り続けた…
しかし、いざ「就職」という時期になっても、思うような職に就けない… そんな心配をする親が多くなっています。
我が家でも、一昨年は子どもたち二人の就職について心配をしたものです。
とにかく「正社員」として働く職場が与えられたい、と念願していました。
なぜ「高学歴」=「安定した職業」・「安定した収入」にならなくなったのか。
私たち(昭和36年生まれ)の親は、自分たちが苦労した分、子どもの教育に力を入れ、学歴を得させようと努力しました。
それは、「学歴=相応の職業」というモデルがあったからです。
ご承知のように戦後の日本は高度経済成長を遂げました。
現代社会はそのころとは大きく変わっているとは、多くの人々が気づいています。
しかし、なぜそうなったのか、どれくらいの人々がこのような問題で悩んでいるのかはあまり実感がありません。
法政大学社会学部専任講師の二平典宏氏は次のように述べています。
高度経済成長時代、企業では「男性の正社員が家族を扶養する」という福利厚生を提供した。
世界が認めた「終身雇用・年功序列・企業別組合」という三種の神器確立の時代だ。
(このような日本型経営を提供する「いわゆる大企業」に、就職することを理想的なモデルと考える子・親が多いわけです。)
しかし1985年には労働コストの削減圧力が強まる。
そして1995年の「新時代の日本型経営」(日本経団連)では、終身雇用や年功賃金制度が否定される。
そして労働者を三つの身分に分け、第三の身分をパート派遣などの「雇用柔軟型」とした。
その後いよいよ、労働者派遣法改正で柔軟雇用が具体化されていく。
このように述べています。(2009年 「若者と貧困」)
柏崎市でも、高齢者のみの世帯が増加し、様々な生活不安が訴えられていますが、
最終学校卒後、子どもが実家に戻ったとしても、子の就職について不安を持つ親と子自身が増えていると感じます。
このような課題は国が対策を講ずるべき課題です。
しかし地方自治体においても、現状をしっかり認識して、なんらかの施策を講じていく必要があると思います。