- 2011年02月07日
なるほど… 2011年度の税制改正?!

東京永田町砂防会館で開催された「地方財政セミナー」に参加してきました。
このセミナーは自治労の主催で、国の地方財政計画が決まるこの時期に毎年開催されています。地方自治体の財政に大きく影響する地方財政計画についてのホットな情報満載だけに、会場は毎年多くの受講者でいっぱい!
二日間の日程でしたが、私は翌日「原発調査特別委員会」が開催されるため、初日のみしか受講できず、ちょっと残念…
講演①と②は、税制問題・とりわけ平成2011年度税制改正について、講演③は2011年度の地方財政計画と自治体財政についての講演でした。
2011年度の税制改正についての講師の評価は、「(これまで先延ばしされていたことが含まれ)かなり注目すべき事項を含んでいる」とも言えるし、「怖いもの知らずの改正」とも言えるとのこと。なるほど、法人税減税や環境税などが含まれていますからね…
経済活性化策としてたびたび取り上げられてきた、法人税の引き下げ。今回の税制改正で、法人課税の実効税率が現行30%から25.5%に引き下げられます。そして通常、併せて、引き下げによる減収分を回復させるために課税ベースが拡大されるんだそうです(減収分を相殺することを目指す)。しかし、それじゃあ引き下げの意味が無いじゃないかという経済界からの反対が強く、結果、引き下げ分・課税ベース拡大分差し引き7,758億円/年の減収となることに。
私たち国民としては、「なぜ法人税だけが減税…?」という思いと、「企業の国際競争力が低下したら、結局は雇用にも影響するからねぇ…仕方ないか…」という両方の思いがあるのではないでしょか?要は、法人税が引き下げられることによって、本当に広く国民に良い影響を及ぼすのなら、理解できるというところでしょう。
ところで、帝国データバンクの調査(2010年7月)によれば、法人税引き下げ分を何に充てる可能性が高いかを企業に聞いたところ、①内部留保25.6%、②借入金の返済16.8%、③社員に還元15.5%、④設備投資の増強12.7%の順だったそうです。
この結果を見ると、減税が設備投資や雇用にはまわらないことも大いに予想されますよね。
個人所得税に関しては、給与所得控除の見直しや成年扶養控除の原則廃止など、課税が強まっているのですから、法人税減税が企業の内部留保だけを増やすということになっていないか、よく見ていく必要がありそうですね。